PSPのSRPG「グングニル -魔槍の軍神と英雄戦争-」の雑感です。
エンディングまで含めたネタバレ含みます。
のと今回あまりいいこと書いてないのでその旨、前置き致します。


グングニル -魔槍の軍神と英雄戦争- グングニル -魔槍の軍神と英雄戦争-
(2011/05/19)
Sony PSP

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今回の立ち位置としては、

  • Dept. Heaven Episodesシリーズは今回が初めて
  • SRPGは好きだけれど別に上手くはない
  • FFT (PS) と TO (PSP) は神掛かりだと思っている
  • 難易度BASICのみで、AエンドとBエンドの両方を確認

こんな感じでしょうか。そういえばユグドラなんとか系は気になりつつ結局あんまり手ェ出さなかったなあ……。

■総合:★★☆☆☆

総じて中途半端だなあ、という感じです。
一連のシリーズや絵師さんなどの要素に特別な思い入れがない限り、「民族紛争を下敷きに、革命をテーマにしたSRPG」ならタクティクスオウガ買った方が楽しめると思います、とか言っちゃってみます。個々のシステムを聞く限りだいぶ面白そうに思えたのになにがこんなにスッキリしないんだろう。

■システム:★★☆☆☆

「いろいろと真新しい機能を詰め込んでみたけれど、詰め込みすぎて面倒くさくなっただけ」という印象というかなんというか……。

コンディション異常

「ポイズン」みたいな分かりやすいコンディション異常やはともかく、「デフハーヴ」「マターオーラ」みたいな名前で分からないコンディション異常がチラホラ。しかも全部で30個以上種類があって、そんなにたくさんどうするんだろうという状況。種類が多すぎるものに、武器の特殊能力「ブースト」もありますが割愛。
わりに、プレイヤー側が使おうとした場合に使いやすくて有用なコンディション異常ってが継続ダメージを与える「バーニング」くらいしかないのがまた悲しい。いや敵側が使ってきて死ヌほど面倒くさいだけ、ってのでも別にいいんですけど……。

やたらと敵有利

いや、敵有利なだけならゲームなのでいいのですが、あらゆるシステムが敵側有利に働いている気がして異常に理不尽というか。
まず「敵の異常なまでのガード/回避率」。回避率20%なら2回連続で避けられるとかザラ、もちろんガード率60%はまず命中しない。敵の前衛はガード率の上がる盾を持って大人数で押しかけてくる→盾のガードが可能な前か横しかなかなか取れず、まあ攻撃当たらない。味方の前衛が超残念。泣ける。
次に「敵の方がビートしやすい」。
「ビート」とは1体の敵を囲んでいると、囲んだ仲間が追加攻撃をしてくれるというシステムです。仲間が追加攻撃を加えてくれる姿はけっこう面白い&気分いい。とはいえこちらが出せるユニットは4-5人、敵はだいたいその2倍以上。さらにビートのたびに消費するパーティ共通のゲージ「アクションゲージ」の溜まる条件は主に「移動」なので、

  1. 敵の前衛が大挙して押しかけてくる
  2. 敵の後衛がいろいろと動き回って、敵方のアクションゲージを貯める
  3. すっごいビート喰らう

だいたいこうなる。こちらがビートを狙うために敵の後ろとか取りにいくとだいたいメッタ打ちにされて帰ってくる。切ない。

ノックバックゲー

「アクション」という、端的に言うと攻撃方法が武器ごとに設定されています。範囲攻撃だとか、ランダム強攻撃とかいろいろとアクションがあります。その中でも「相手を1スクエア奥に押し出す」という効果を持つノックバックが異常に便利すぎて、最終的に攻撃力とかなんでもいいからソレついてる武器がいいと思う、くらいの様相を呈してきます。
というのも、画面端に追い詰めたユニットにノックバック攻撃を行い、画面外に追い出すと、どんなにHPが残っていようとも戦線離脱させられるという素敵仕様があるためです。
敵の方が数が多く、前衛陣の異様なまでのガード率&高HP&ビートしやすさを鑑みると、素直に攻撃&ビートで倒すのは分が悪い。もちろんノックバックもガードされれば無意味なのですが、

  • 背後からの攻撃はガード不可能
  • ノックバックされたユニットのノックバック先に別のユニットがいる場合、そのユニットもノックバックする

という仕様のため、
 ●:敵
 ○:味方。敵の方向を向かせておく
 ☆:これから行動するユニット
を、下記のように配置して、
 画面外|●○☆
○にノックバック攻撃を仕掛けると、敵のあらゆる状況を無視して強制退場させられます。敵の前衛は、ビートがかなり上手く入った状況で3回くらい攻撃しないと倒すことが難しいのですが、それが1手番で済みます。強制退場した敵は一切アイテムを落とさないというデメリットはあるのですが、敵をまっとうに倒してアイテムドロップしても、敵の最優先行動がどうも「ドロップアイテムの回収」のようなので問題ありません。
(敵がアイテムドロップした瞬間、別の敵が即座にそのアイテムを回収していく)
武器のアクションは装備して戦場に出さないと確認出来ないのも、地味に面倒くさい。
そんなわけで、いろいろと多種多様な攻撃手段は用意されているのですが、最終的には

  • 味方 (前衛) に炎属性を無効化する装備を付け、敵味方の前衛が入り乱れるエリアに広範囲バーニング付き炎魔法を投げる
  • ひたすらノックバック

こんな感じでだいたいどうにかできてしまう。
結果として、単に「使いもしない要素がごちゃごちゃしてるだけのシステム」になってしまっている感じです。

■シナリオ:★☆☆☆☆

全体的に漂う、消化不良感&スッキリしなさ。
シリーズものの一部とのことなので、他のシリーズをプレイ済みであれば知っていることや、今後のシリーズで明らかになることもあるかとは思います。……のですが、そういう内容ばかりだとさすがにちょっとげんなりします。
ざっくり挙げるだけでも、

  • 冥痕とはどういうものなのか。設定は理解しても、実感と背景が見えないので結局よく分からない
  • エリーゼの正体と、使命とは結局何なのか
  • パウロはラグナスに何をもってして「誤解」と言ったのか。なにが「正しい」のかプレイヤーが判断出来ない
  • 皇帝を殺したのは誰か

サクサク思いついた限りでこのあたり。たぶんまだ出てくる。PTのメインメンバーに関するものだけでも謎が多く、そもそも「物語としては完結していない」ような印象がものすさまじい。
また、ゲームをクリアしてなおストーリーが一切すっきりしません。「民族間の対立」とか重いテーマであることは分かるので、序盤~中盤にかけて重苦しいのは分かるのですが、終盤に至っても一切光が見えない。

  • ガルガディアとレオニカの民族間のわだかまりが、最後まで「ほぼ一切」解決しない
  • 最終決戦前、アリッサが急に正体を明かした直後の盛り上がりのなさ (しかもストーリー的にはある意味当然な展開)
  • なんか突然義兄が「復讐」言いながら襲いかかってくる
  • どう転んでも「逆賊の汚名だけ着せられ反乱は失敗」という結末

本当に光が見えない。
マルチエンディングで、アリッサを信用する (というか、敢えてマイナスな言い方をすると「アリッサに都合のいい/気分がいい」選択肢) をとったかどうかで展開が決まるのですが、「ジュリオが結末に納得出来たかどうか」程度の分岐でしかない。一軍を率いたリーダーが、反乱に失敗したものの一定の権利を認められ、敵国の主に与えられた豪邸で「英雄の異名なんて必要ない」とか言ったところで正直そんなカッコ良くな(もごもご
タクティクスオウガが同じく「民族間の対立」を扱い「しかるべき手順をふめば」平和がもたらされたのとは対象的に、どうあがいても「レオニカは下に見られてる民族なんだから、市民権を与えてもらえるだけマシ」としかならないのはなんかちょっと切ないなー……という気はします。
あとは以下わりと妄想な気もするのですが。
「産まれた頃から反乱軍にいた」ジュリオであれば、それまで数々の仲間の死を看取ってきたものと思うのですが、「それまでの仲間の死」にはほとんど心を動かされていない様子なのに「ノア・テレザ・クロードの死」にはだいぶ心を動かされてるあたりにぼんやりとした理不尽さを感じます。「高潔」を信条とする反乱軍のリーダーですか……。

■サウンド:★★★★☆

個人的には夜の戦闘開始時のイントロとか好きです。

■グラフィック:★★★☆☆

キャラのイラスト云々より、ゲーム内の画面のゴチャゴチャ具合が目に付きます。
前述の通り、えらく色々とつめこまれたシステムのため、それらに必要な多くの情報を1画面に収めた結果、見栄えはするんだけれどなんとなくゴチャゴチャしてる感じ。ガード率と防御力と魔法防御力を上限値の分からないゲージで見せられても見た目の華やかさ以外になんのメリットがあるというの。
あと、戦闘中に画面を回転させてもやっぱり見にくい死角みたいな箇所がけっこうあるのもしんどいかなあ、とか。
ところであの物体なんていうか本当に槍なんですか

■その他諸々

システムのごっちゃり感やシナリオの消化不良感はもちろんのこと、それ以外の細かいところでもやや不親切な部分が目につきます。たとえば戦闘前イベントシーンのスキップひとつ取っても、

  • イベント(1):LまたはRで加速 (×でスキップ可能)
  • 戦況説明:LまたはRで加速(スキップ不可)
  • タイトルコール:○で加速(スキップ不可)
  • イベント(2):LまたはRで加速 (×でスキップ可能)

加速ボタンが違ったりスキップ出来なかったりする。
スキップしたい時点でリセットしてステージやりなおしたか2週目なのだろうから全部スキップしたいんだけどなーとかすごい思う。ちょっと間違えると、ほぼ勝ちが見えたところで敵のノックバックで主人公が即死するようなゲームだからステージやり直しとか多いんですって。
(ちなみに、システム的にステージを頭からやりなおすことは出来るのですが「やりなおしていない」ということが「次のステージでの宝箱」という明確なメリットとして出てくるのであんまりやりたくない)
たぶん、システムかシナリオか、どちらかがもうちょっとしっくり来れば、逆に「なんか分からない単語が多いけど、他のシリーズやれば分かるならいいと思う」って言えたと思うのですが……。
というか序盤の時点ではけっこう面白かった気もする。うーん?
余談ですが「大盾を貫く第三の槍」って章タイトルめちゃくちゃカッコいいと思う。
父と義兄が成せなかった「大盾 (要塞) を突破する」という悲願が今ここに! みたいな。物心ついたとき父は既にいなかった、なのが惜しい気がするなあ……。

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